宇城地区学校薬剤師とは
学校薬剤師とは?
 学校薬剤師は、学校保健安全法により、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・高等専門学校・盲学校・聾学校・養護学校に至るまで、大学を除く国立・公立・私立の学校すべてに、委任委嘱されています。学校設置者は、薬剤師の資格を有する者の中から任命あるいは委嘱し、学校薬剤師として学校保健・教育の推進にあたらせ、公立学校の場合は、地方公務員法の規定に基づく地方公務員特別職となり、任命権者(教育委員会)の委嘱により学校薬剤師となります。
学校薬剤師に必要なものは?
 学校薬剤師は、薬剤師職能の全領域の活用を基本として学校保健活動に従事、職務執行の準則に則った職務の遂行に努めることが期待されており、学校保健活動のすべてが発育・発達の重要な時期にある児童生徒等の生涯教育の基本的な学習課題として有意義であるように、生活・学習・社会活動を通じて正しく履修できる指導・助言の提供が求められていることから、
1.教育にふさわしい人間性を持つ
2.教育に正しい理解を持つ
3.職務に必要な知識の研鑚(講習会、研修会等)
が必要とされます。
 そのため薬剤師免許があるから、あるいは環境計量士等の資格を持ったからといってすぐできるといったものではありません。まず、薬剤師としてあるいは社会人としての研鑽を積んだ上で、社会貢献の一環としての活動をしています。宇城薬剤師会では、毎年研修会を開催して、学校薬剤師としての知識・技能・態度を学んでいます。


また、毎年開催されている宇城市健康フェアで、一般市民の方々へも薬物乱用防止の啓発、お薬何でも相談、手洗い指導などを行っております。


学校薬剤師の職務内容は?
学校保健安全法に学校薬剤師の職務執行について規定されています。
<第24条 学校薬剤師の職務執行の準則>
1.学校保健計画及び学校安全計画の立案に参与すること。
2.第1条の環境衛生検査に従事すること。
3.学校の環境衛生の維持及び改善に関し、必要な指導及び助言を行うこと。
4.法第8条の健康相談に従事すること。
5.法第9条の健康指導に従事すること。
6.学校において使用する医薬品、毒物、劇物並びに保健管理に必要な用具及び材料の管理に関し必要な指導及び助言を行い、及びこれらのものについて必要に応じ試験、検査又は鑑定を行うこと。
7.前各号に掲げるもののほか、必要に応じ、学校における保健管理に関する専門的事項に関する技術及び指導に従事すること。
学校環境衛生とは?
学校環境衛生とは、健康的で快適な学校環境を目指すための環境衛生活動をいい、
児童生徒の生命を守り、心身の発育発達を促し、健康の増進を図ること。
児童生徒の学習能率の向上を図ること。
児童生徒の豊かな情操の陶冶を図ること。
を目的として進められなければなりません。
法律的には、学校教育法第12条で学校においては、別に法律で定めるところにより、学生、生徒、児童及び幼児並びに職員の健康の保持増進を図るため、健康診断を行い、その他その保健に必要な措置を講じなければならない。とされ、これにより学校保健法第2条で、学校においては、児童、生徒、学生、又は幼児及び職員の健康診断、環境衛生検査、安全点検その他の保健又は安全に関する事項について計画を立てこれを実施しなければならない。とされています。さらに、第3条で、学校においては、換気、採光、照明及び保温を適切に行い、清潔を保つ等環境衛生の維持に努めて、必要に応じて、その改善を図らなければならないとされ、これに応じて保健体育審議会は学校環境衛生の基準について、
学校における環境衛生の整備を図るため、教室内の換気・採光・照明・保温その他の衛生基準、水飲場・水泳プールその他の場所の衛生基準、机・腰掛けその他の学習用具の衛生基準、学校給食に関する基準等の学校環境衛生の基準を設定する必要がある。(昭和39年)と答申している。
この基準には、次のような趣旨が定められていて、
全国の幼、小、中及び高校の環境衛生上共通な事項に限定
判定基準は、健康上、教育上どうあるべきかという観点から設定
項目ごとに示し、その中で、定期(学校薬剤師)に分けて示した
技術的な面を多く盛り込んでいるが、その細部については言及していない
今後、実施上の評価、技術的な進歩等によって将来検討を加える必要がある
これに基づいて、いろいろな検査が、定期・臨時の環境衛生検査、事後措置、日常における環境衛生活動として実施されてきました。しかし、最近、トリハロメタン、揮発性有機化合物の指針値といった新たな基準において、技術的な進歩、社会情勢の急激な変化等から細部に、又事後措置等にも言及せざるを得ない状況になっています。
<学校環境衛生基準>
 学校における換気、採光、照明、保温、清潔保持その他環境衛生に係る事項について、児童生徒等及び職員の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準です。

第1 教室等の環境に係る学校環境衛生基準
   ◆換気及び保温等
   ◆採光及び照明
   ◆騒音
第2 飲料水等の水質及び施設・設備に係る学校環境衛生基準
   ◆水質
   ◆施設・設備
第3 学校の清潔、ネズミ、衛生害虫等及び教室等の備品の管理に係る学校環境衛生基準
   ◆学校の清潔
   ◆ネズミ、衛生害虫等
   ◆教室等の備品の管理
第4 水泳プールに係る学校環境衛生基準
   ◆水質
   ◆施設・設備の衛生状態
第5 日常における衛生管理に係る学校環境衛生基準
   ◆教室等の環境
   ◆飲料水等の水質及び施設・設備
   ◆学校の清潔及びネズミ、衛生害虫等
   ◆水泳プールの管理
第6 雑則(臨時検査)
薬物乱用防止教室・健康教育?
学校薬剤師が中心となって、小・中・高等学校生徒を対象とした薬物乱用防止教室を開催しています。薬物の乱用によって生じる弊害を防止するための積極的な啓発活動を行い、薬物乱用に関する正しい知識を普及し、麻薬・覚せい剤・大麻・シンナ−等の薬物乱用を根絶する社会環境づくりを進めています。宇城薬剤師会では、プレゼンテーションや実験を取り入れ、生徒たちが理解しやすいように工夫をしています。
内容は、薬物、ゲートウェイドラッグ(入門薬物)としての酒・タバコ、薬の適正使用についてです。
薬物乱用防止教室の感想文
<小学生>
小学4年女子
今日は、タバコとお酒と覚せい剤のことを勉強しました。わたしが、おどろいたことは、タバコでふたごが、別の顔になったりしてびっくりしました。わたしのお父さんは、タバコをすっていないからちょっとほっとしました。覚せい剤やシンナーでゆうれいが見えたりするのがおどろきました。わたしは、これから誰かにタバコや覚せい剤やシンナーをさそわれても、ゼッタイにことわろうと思います。「薬をいっぱいのんではだめ」とお母さんからいわれていたから、頭がくるったりするからそう言ってたんだなと思いました。

小学4年男子
ぼくは、薬をたくさんのんだほうが、いいと思っていたけど違いました。お医者さんや薬剤師さんからもらった薬だけを飲もうと思いました。ぼくが、薬物乱用防止教室で一番心に残ったことは、幻覚です。薬物を飲んでゆうれいや虫が見えたのが心にのこっています。あと一つは、自分のかってな思い込みで、他の人が自分を殺そうとしていると思うことです。

小学5年女子
私は、タバコの有害物質の種類が15種類くらいだと思っていたら、200種類もあったので、すっご〜くびっくりしました。それに近くにいる人でも害があると聞きました。私は、ぜんぞくなので、あまりタバコを吸っている人に近づかないようにしたいと思いました。

小学5年男子
ぼくは、友達や先ぱいにすすめられても、きっぱりことわろうと思いました。タバコは体に悪いので、吸わないようにしようと思いました。とくに未成年の脳が成長している途中なのでタバコは、未成年のときは吸わないようにしようと思いました。20才をこえても吸わないようにしようと思いました。

小学5年女子
私のおじいちゃんは、タバコを吸うので、私が教えてあげたいです。タバコの煙には、200種類の有害物質があり、一酸化炭素、タール、ニコチンなどが入っていると聞きました。私は、今日家に帰ったらおじいちゃんに「タバコを吸ってはだめだよ」と教えようと思います

小学5年男子
ミミズにニコチンが入った液をかけると、ミミズが細長くなることを知りました。だから人の血管を細くして、血の流れが悪くなることにおどろきました。あとタバコには、主流煙と副流煙があって、主流煙は自分だけだけど、副流煙は自分以外にも影響があるから、体に悪いからいけないと思いました。あと子どもの場合は、30倍の確率で肺がんになることにおどろきました。

小学6年女子
最初は、「どんな授業をされるのかな?」と思っていたのですが、パソコンを使っての授業で効果音も入ったりして、楽しい授業であっという間に終わった感じでした。内容は、薬物におかされた17才の少女の幻覚、虫のついた手など‥‥。薬物は、本当におそろしいものだと改めて実感しました。お酒やタバコは、私達の一番身近にある物であり、大人になってもできるだけひかえめにしていこうと思いました。今後も自分の生き方に注意をはらいながら毎日生活を送っていこうと思います。

小学6年男子
タバコの有害物質は、ぼくは50くらいの成分だろうと思って手をあげましたが、200もあるとは思いませんでした。あんな小さなぼうに、200種も入っているとは思えませんでした。しかもガンをおこしたり、ふけたり、血管を細くしたりと、害ばかりあるのでこれはやりたくないと思いました。

小学6年女子
私は、今日の勉強で先輩や知り合いからタバコをすすめられても断りたいと思いました。それと、双子の人の写真で、タバコを吸う人と吸わない人をくらべると、やっぱりタバコを吸う人が年をとっていてびっくりしました。私は、タバコを吸う人と吸わない人あんなにちがうなんて思いませんでした。タバコを吸うだけで肺の色が変わるのでびっくりしました。

小学6年女子
こわいし、絶対したらいけないなぁと思いました。覚せい剤の話は、金八先生の話であったので、よく知っています。何もついてないのに、虫がついているように見えたり、何か自分の悪口を言われているように思うんですよね。とても怖いなーと思います。もし先輩とかから勧められても断って、しないようにします。


<中学生>

中学3年女子
私は以前に、「タバコは、吸っている人よりも、周りの人の方が悪い影響を受ける」と聞いたことがあったけど、今日のお話を聴き、それが真実であることが分かった。私の家では、誰もタバコを吸っている人はいないけど、隣の家ではタバコを吸っているお兄さんたちは、ベランダで吸っているので、家族のためにもそれが正しいことであることが分かった。しかし、タバコを吸わないようにするこが一番良いことであるということを改めて感じた。

中学3年男子
薬物を使用すると、周りから見放され、金を盗むと家族からも見放されると言う結果になり、その人はもう死にたい、生きていても意味がないと思うということを、私は知っています。「それくらいなら、飲んだり吸わなけりゃいいのに」と誰しも思うのですが、人間というものは、とても弱い生物で、友だちからの勧めなら、いいんだし‥‥と思ってしまい、一回くらいなら‥‥と思ってしまうわけです。それがもう、その人の終わりでもあります。今回のお話を聞いて、本当に頼れるものは、自分の力しか無いと思いました。私は、普通に生まれてきたので、普通に生き、普通に死んでいきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

中学3年女子
私はこの授業をするまで、先輩や友達に誘われたら、断ることができないだろうと思っていました。でも、今日の授業で色々な資料を見たり話を聞いたりして、とても恐ろしいものだということを知りました。これから先、どんな誘いがあってもおかしくありません。でも、自分の体のことや誘ってきたことを考え、きちんと誘いを断ることができる人になりたいです。

中学3年男子
覚せい剤やシンナーは、脳を破壊し、幻覚や妄想が起こり、自傷する人があらわれ、心臓や肝臓の機能低下、生殖器官にも異常が起こることを知り、覚せい剤やシンナーなどは絶対にしてはいけないと思った。また未成年で飲酒やタバコも体に影響があることが分かり、友達や他の人に勧められても絶対に断ろうと思った。

中学3年女子
私の家族は、全てタバコを吸わないし、酒もあまり飲まないので、祖父や祖母が元気なんだと思った。私もいずれ家庭をもつと思うが、祖父たちのように何歳になっても元気でいたい。そして、子どもにも、薬物・タバコ・酒の恐ろしさを教えて笑顔でいられる家庭をつくりたいと思った。もし今、自分が誘われたらどんな怖そうな人でも断ることができると思う。気がめいっていても、薬物などにたよらず、自分や他人、スポーツ、音楽などで持ち返せるように自信をもっておきたい。薬物・タバコ・酒には、「依存」があることを聞いていたが、まだ自分に関係ないものだと思っていた。でも今日、改めて怖さを知ることができた。やめたいのにやめられないのは、とても苦しいことだし、そのせいでイライラしてまた手を出してまた苦しむのは、体験しないと分からないが、苦しいという言葉では表せないくらいだと思う。このことを体験しないように、まわりに気をめぐらせて、良い事、悪い事を見きわめていきたい。自分たちにできることがあったら、このような「依存」の世の中を少しずつ変えていくような活動をしていきたいし、参加して一人でも救いたい。自分に自信をつけていきたい。

中学3年女子
お酒やタバコは、父が飲んだり吸ったりしているので、お酒やタバコの悪いところを話して、やめてほしいと思いました。お酒やタバコは、自分の思っている以上に恐ろしいもので、お酒やタバコは売られているけど、薬物とあまり変わらないと感じました。もしすすめられた時のために、あらかじめ誘いを断るような言葉を考えておくことが大切だと感じました。また、自分が誘いを断るだけじゃなく、友達や周りの人が、薬物やお酒、タバコなどしていたら、止めさせるような強い意志をもちたいと思いました。